「蟠竜湖に浮かんだ大蛇と箸

 むかしの話じゃけどねえ。この地の殿さんであった益田公が、いまの泉光寺の場所に館を構えられた。そこには一度も涸れたことのないという深い井戸があった。
 きれいな水が湧き出ていて、飲み水や洗い水として使っていたそうな。
 ある時、住人がその井戸へあやまって箸を落とした。そしたらその箸が、明くる日、蟠竜湖へ浮かんでおったちゅうことじゃ。

 その泉光寺から少し離れたところに妙義寺がある。このお寺のすぐ近くには丸池と呼ばれている池があって、この池の山よりに九頭竜さんと呼ばれている社があった。
 九つの頭を持つ竜の九頭竜。この竜が丸池にすんでいて、ときどき蟠竜湖に浮いていたという。

蟠竜湖に浮かんだ大蛇と箸

さしえ 益田小学校 A・N
語り手 不明

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