「比礼振山の岩清水

 比礼振山の大きな岩にね。凹みがあるんじゃ。この方の言葉でタンポと言うんじゃが、そのタンポの水はどんなにひでりが続いても水が干上んといね。そいじゃけえ、みんなが言うのに、そのタンポから水が湧いて出るんじゃろうと。
 ところが、その水はばくだい薬効があるといね。子どものあせもにも効くし、目につけると目がよくなるちゅう。それで、昔は、そのタンポの水がとても大事にされて、瓶に入れて帰る人がじょうにおったと。
 今でもおいしい水じゃちゅうて、たくさんの人がその水をくみにきんさるんじゃ。

語り手 篠原武雄(乙子)/城市良吉(乙子)

目次