「人丸さん

 むかし、人丸さんが九つの年の足跡があってなあ。
 そこには、しめ縄がはってあった。
 いい伝えによると、人丸さんは、朝、家の人たちと一緒に草刈りに行くと、いつも岩の上で遊んどるんじゃそうな。
 家の人たちがひと仕事おえて、
 「おい、人丸やいのうで。」というと、
 「おい。」
 ちゅうて、手を三つ叩きなさっつりゃ、足元へ草がバッバッと集まってくるちゅうんじゃ。
 人丸さんは、それをかるうて帰りよんさったちゅうて。

語り手 中島ヨシノ(戸田)/中村助安(小浜)

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