弘法大師の話
 「蚊 帳

 真夏のある日
 「護法を広げて諸国を回っている。一晩泊めてくれんか。」
旅装の弘法さんが、 ある農家の戸をたたきんさった。
 「家には、よぶんに蚊帳がないけえなあ。泊められんのじゃ。」
家の主人はことわりんさった。
 それでも、弘法さんが、
 「どこでもええ。」
といわれたので、 自分は蚊帳の外に寝て、弘法さんを蚊帳の 中に入れてあげんさったちゅうんじゃ。

 それからというもの、その家にゃあ蚊が出んようになって、蚊帳を吊らんでいいようになった。
 その家ではいまだに蚊がおらんそうじゃ。

蚊 帳

さしえ 馬谷小学校3年 S・Y
語り手 石飛千代子(横田)/水浜末吉(高津)/大谷好吉(乙子)/児玉アキノ(津田)
川崎好右衛門(木部)/石川静夫(隅村)/奥田五郎(種)/和崎トモエ(多田)

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