負うた荷が焼ける

 この近くに、大谷というところと、木部ちゅうところがある。
 まだ今のように鉄道がついておらんかった頃のことじゃったが、木部の方のおじいさんが、藁を背負うて帰りよんさったそうな。
 そこへ通りかかった大谷の人が、「おじいさん、おじいさん、おうたにが焼ける。おじいさん、おじいさん、おうたにが焼けるでや。」
ちゅうて言うたりゃ、おじいさんは、
「おおたにが焼けても、わしゃ木部じゃ。」
ちゅうて、去にんさったげな。

語り手 田原弥三郎(木部)

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