「嫁入りのわらじ酒

 嫁入りのお祝い事がお開きになって帰ろうとすると、そのお家の人が酒の一升びんとコップをもってきて、
 「これを飲まにゃあ、うちの玄関から出さん。」
と、酒を飲ませるんじゃ。
 「はぁ、わしゃあ、もう飲んだけえやれん。」
ちゅうても、
 「あんた、飲まにゃあ、いなさん。」
といわれて、ごっくんごっくん飲んで帰りよったんじゃ。

 まあ昔からわらじ酒いうて、酒はいちばんのごちそうじゃった。

語り手 柳木清一(向横田)

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