「嫁入りの地蔵

 嫁さんをもらうということになると、その村の若い者が、お地蔵さんをよそから持ってきて、その家の縁側へどかんとすえていきよった。
 嫁さんがどかっと座ってねぇ、その家におちついてもらうというのでねぇ。
 なるべく大きいお地蔵さんを探して持って来て、そこに置いていく。
 たいてい遠方から持ってきて置いとくんだが、お地蔵さんを元の場所に返すのは、そのお家。

嫁入りの地蔵

 ところが、へいぜいおつきあいが悪いちゅうとねぇ。どこから持って来たのか教えてくれん。
 さあ、たいへん、
 「ああ、どこから持ってきたんじゃろ。どこへ返えしゃよいのやろ。」
 「それは、二キロ、三キロ向こうから、山の上から持ってきたんじゃ。」
 どうもなりゃあせん。
 いやあ、まいった。まいった。

さしえ 安田小学校6年 S・F
語り手 柳木清一(向横田)

目次